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2013.10.08

C・W・ニコル著『北極探検十二回』

英国ウェールズ生まれ、現日本人の著者が書いた北極行。著者の書いたいくつもの北極に関する著書、あるいは、映像によって北極、イヌイットの姿を身近に感じた人も大勢いるのではないだろうか。

自身の経験のもと、「物語」は進んでいく。狩猟シーンは秀逸で、また、数多く登場するイヌイットとの会話シーンからは彼らのチャーミングな姿がよく描かれている。あとがきに以下のような文がある。

「私にとって北極へ行くということは、たんに心にはぐくみ続けた夢の実現というばかりでなく、自らに課した断固たる決意の実行に他ならなかったのである」「私には、北極が必要であった。と同時に北極もまた、短い期間とはいえ、私を必要としていたと思う」。

北極の雪氷を踏みしめた者ならば、誰しもがこの思いを持つだろう。