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2015.04.07

『極北の大地・グリーンランドの夜明け ―THE FIRST STEPS―』出版お披露目会@代官山蔦屋書店Anjin

3月末、大規模なグリーンランドプロモーションのため、デンマーク王国よりフレデリック皇太子殿下とメアリー妃殿下、ダン・ヨーゲンセン デンマーク食料・農業・水産大臣およびキム・キールセン グリーンランド自治政府首相ほか政府関係者のみなさんが来日されていました。

来日中、数多くのイベントにご参加されましたが、現在、代官山ヒルサイドフォーラムで開催されている展覧会「スピリチュアル・グリーンランド」(2015 年3月28日~4月19日)にあわせて弊社から刊行されたグラフィックノベル『極北の大地・グリーンランドの夜明け―THE FIRST STEP―』出版お披露目会にも、28日(土)にご臨席いただきました。

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作者のヌカ・K・ゴッツフレッセンさん、奥様のリスベツ・ヴァルグレンさんも来日されました。

出版お披露目会は、代官山蔦屋書店2階のAnjinにて行われましたが、国立民族学博物館副館長の岸上伸啓先生のご挨拶、ダン・ヨーゲンセン デンマーク食料・農業・水産大臣、作者のヌカさん、地元中学生、岸上先生たちによる朗読、サイン会と無事、お披露目することができました。

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お披露目会では、デンマーク大使館のみなさまにご尽力いただきました。このような機会をいただき、深く感謝申し上げます。

4月19日まで入場無料で展覧会は開催されていますので、ぜひ多くの方に足を運んで欲しいと思っています。すばらしい展覧会です。そして、代官山蔦屋書店にて、書籍の全館イベントを展開していただいていますので、ぜひ本を手にとっていただきたいと思います。

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会の終わりに版元として、ご挨拶させていただきました。途中省略しましたが、下記、小生の「極北の思い」として、蛇足ながら掲載させていただきます。

…………挨拶文…………
清水弘文堂書房の礒貝日月と申します。この展覧会にあわせて、この本の出版を担当させていただきました。

まず、刊行にあたって、作者のヌカさん、奥さまのリスベツさん、岸上先生、デンマーク大使館、デンマーク、グリーンランドの関係機関の多くのご支援をいただき、日本語版を刊行することができました。関係者のみなさまに深く感謝申し上げます。

学識者と緻密に練られたストーリー、極北の人びとの営みをよく表現しているイラストはもちろんですが、みなさまにはぜひ色遣いを見ていただきたいと思っています。

日本語版は、「夜明け」とタイトルにつけましたが、極北の大地、海、氷、雪、そして空の多様な色が見事に表現されております。この「夜明け」の意味が、イラストの色を見るだけで、感じていただけると思います。

この本は物語その1、エピソード1になります。全4巻で構成されており、物語その2まではデンマークで刊行済み、今年度中に3巻目が出版されると伺っております。日本でもこれをきっかけに、続編をみなさまにお届けできるのを願っております。

私自身はグリーンランドのお隣、カナダ北極圏に足繁く通っていた時期があり、一度だけグリーンランドの首都ヌークとカンゲルルスアークという町に行ったこ とがあります。この本の話は、グリーンランドのさらに北の話ですが、本の製作過程で、またグリーンランドの大地を自らの足で踏みしめたいと気持ちを強くし ました。

極北はけっして遠い場所ではありません。

みなさまにとって、この本がグリーンランドをみじかに感じていただける最初の一歩、広く言えば極北の世界に踏み入れるファーストステップになることを願っております。

本日はありがとうございました。
…………挨拶文終わり…………

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最後に、ヌカさん、リスベツさん、お二人と出会い、この仕事ができたことを誇りに思っています。

礒貝日月(いそがい・ひづき)

1980年、東京都生まれ。慶應義塾大学総合政策学部で学び、2007年、同大学院政策・メディア研究科修了。総合研究大学院大学文化科学研究科(国立民族学博物館)博士課程退学。現在、清水弘文堂書房代表取締役、早稲田大学早稲田環境学研究所招聘研究員。2001年に『ヌナブト イヌイットの国その日その日 テーマ探しの旅』(清水弘文堂書房)を発表し、2001年度慶應義塾大学塾長奨励賞を受賞する。編者をつとめた『北の国へ!!NUNAVUT HANDBOOK』(清水弘文堂書房)で「2003年度/第3回カナダ・メディア賞」大賞を受賞。幼少期から極北の先住民イヌイットとかかわりをもち、カ ナダ・ヌナブト準州各地へ現地調査のため7回訪問、合計すると約1年間滞在。著書はほかに『蒼いお尻のぼくときみ―カナダ極北のイヌイット 内なる心の旅―』(清水弘文堂書房)。

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