Book
2013.10.08
星野道夫 著『ノーザンライツ』
彼の著作を通して、極北に憧憬の念を抱いたものは数多いのではないだろうか。慶應義塾大学経済学部卒業後、田中光常氏の助手を経て、アラスカ大学野生動物管理学部へ留学。1996年、カムチャッカ半島でヒグマに襲われ非業の死を遂げた。
氏の写真を眺め、文章を読んでいると、それらは「撮る・書く」ものではなく、「紡ぐ」ものだと実感する。彼ほど現地の人に愛され、自然が寄り添い、なによりも、極北の大地が求めた「北極圏人」はいただろうか。本書の「アラスカはいったい誰のもの」はエスキモーたちの魂が静かに鎮魂する。
氏の代表作はたくさんあるが、詩のような文章と数多くの写真を味わってもらい、極北の大地を感じて欲しい。余談だが、星野道夫公式サイトでも最新の情報を入手できる。