Book
2013.10.08
岡田淳子著『北の民族誌―北太平洋文化の系譜』
北海道網走市内にある北方民族博物館4代目館長による学術エッセイ。考古学、文化人類学が専門であり、アラスカと北海道の文化がおもな研究対象である。夫の故・岡田宏明氏も著名な文化人類学者であり、アラスカ研究の第一人者であった。夫との共同研究も多く、共編の書籍も多い。
本書は長年のフィールドワークによる経験から、ベーリング・エスキモー、北西海岸インディアン、アイヌの北太平洋地域の文化を扱っている。本書の節ごとに執筆されている「アラスカの石狩鍋」「冷凍人間の発見」「女たちのアラスカ」などコラムの構成もおもしろい。
ちなみに、北極熱にかかっている人は一度北方民族博物館に行かれることをお薦めしたい。常設展では北方民族の暮らしぶりがよくわかるよう工夫されている。