
2013.10.08
米原万里 著、山本皓一 写真『マイナス50℃の世界』
本書は北極の話でも、北極圏(北緯66度33分以北)の話でもない。北緯62度02分、東経129度44分に位置する首都ヤクーツクを要するサハ共和国(旧ヤクート自治共和国)が舞台である。
「ここは北極よりも寒い国」という冒頭ではじまるように、彼の地は世界一寒い国らしい。TBSのドキュメンタリー番組の取材に同行した氏が小刻みよく氷の世界を描いている(リポーターとして同行した椎名誠氏が解説を記している)。今は亡き氏の処女作にして、スイスイと読める、北極よりも北極らしい、「極寒の地入門書」である。