Report
2014.11.05
ただそこにいることを求めて 角幡唯介
目が覚めるとテントがばりばりに凍っている。頭上には深海生物のような白い奇妙な物体が、ボウフラみたいにゆらゆら垂れ下がっている。初めて見る、呼気が固まってできた不思議なかたちの霜ツララ。ゆっくりと払いのけるように手を延ばす …
目が覚めるとテントがばりばりに凍っている。頭上には深海生物のような白い奇妙な物体が、ボウフラみたいにゆらゆら垂れ下がっている。初めて見る、呼気が固まってできた不思議なかたちの霜ツララ。ゆっくりと払いのけるように手を延ばす …
多くの日本人にとって「北極=植村直己」という構図は過去も現代も変わらないだろう。山から平原まで数多くの冒険旅行を手がけた氏は、南極大陸単独横断の事前準備のため、1972年、極北の大地へ足を向けた。 本書で描かれている世界 …